事業所紹介
株式会社ビオクラシックス半田が運営する「ビオぐるファクトリーHANDA」は、半田市バイオマス産業都市構想の中心事業であるトリジェネバイオガス発電プロジェクトの施設として2021年10月に稼働しました。
地域で発生する再生利用可能なバイオマス資源(牛ふん尿や廃食品など)をメタン発酵技術によりエネルギー化・肥料化し、地域へ供給することで農業を通じた地域循環システムの構築を行います。
「地域循環システム×脱炭素型農業」で地域の未来を創ることを目指しています。
株式会社にじまちが運営する「バイオファームHANDA」は、半田市バイオマス産業都市構想の植物工場プロジェクトとして2023年4月に稼働しました。
ビオぐるファクトリーHANDAから供給される熱・CO2をミニトマト生産のエネルギー源とし、ビニールハウス内を環境制御する設備とスマート農業設備の導入によりほぼ通年でミニトマトを出荷します。
地域資源を活用したエネルギーと最新の農業生産技術により、循環型・脱炭素型で生産性の高い農業の実現を目指しています。
ビオぐるファクトリーHANDA
半田市は畜産や水稲など農業の盛んな地域であり、近年では発生する臭気対策や農業の担い手不足に課題がありました。また、環境問題や地域脱炭素に向けて市内で発生するゴミ削減(リサイクル率向上)にも課題がありました。そこで、牛ふん尿や廃食品などをバイオマス資源として活用することで地域課題解決につなげると同時に、新しい農業の形を実現することで未来の街づくりにつながると考え、半田市と共にバイオマス産業都市構想を国7府省(農水省・環境省・経産省・国交省・文科省・総務省・内閣府)に申請し2016年10月に認定を受けて事業がスタートしました。
当施設は、半田市および知多南部地域の店舗や学校給食センターで発生する食品残さ、愛知県内の食品・飲料メーカーなどで発生する食品残さや液体物、半田市内の牛舎で発生する牛ふん尿をバイオマス資源として受入れ、メタン菌による分解活動(メタン発酵)によりバイオガスを生成、そのガスを燃料とした発電により電気・熱・CO2を作ります。電気は自己利用して余剰分は系統線へ送電、熱は自己利用し余剰分はバイオファームHANDAへ供給、CO2を含んだ排ガスはバイオファームHANDAへ供給しています。
また、メタン発酵後に残る消化液をバイオ液肥として地域の農家へ供給し、農作物生産に必要な栄養素として活用する取組みも開始しています。
当施設で生まれるエネルギーや肥料が農作物生産に利用され、そこで出来た農作物が市場へ出荷され、消費されなかった資源がバイオマス資源として当施設に帰ってくる「地域循環ループ」が形成されることとなります。
バイオファームHANDA
当施設は、施設面積約1.2ha・栽培面積約1haの大型ビニールハウスで、現在30名ほどの従業員が働いています。
通常のハウス栽培では熱源として重油ボイラ・CO2源として灯油燃料などの炭酸ガス発生装置が導入されていますが、当施設はビオぐるファクトリーHANDAから供給される熱やCO2を利用することで化石燃料を一切使用しない脱炭素型の栽培施設となっています。
ハウス内は複合環境制御装置により各機器を自動操作して温度・湿度・CO2濃度・日射量などを調整することでミニトマト栽培に最適な環境を作り出しています。また、ICTなどを活用した各種センサー・防除ロボットなどのスマート農業設備や高速選果・パッキング装置の導入により作業の省力化・効率化を図り、熟練の栽培技術との融合で高品質化・多収量化・生産性向上を実現します。
当施設で生産されるミニトマトは、毎年9月に苗を植え、10月下旬から翌年7月下旬まで収穫して食品スーパーや市場に出荷されます。
なお、栽培時に発生する葉や不良品などの農業残さは、ビオぐるファクトリーHANDAへバイオマス資源として供給し、そこで生まれた熱・CO2をエネルギー源として栽培に活用する循環型栽培施設となっています。
これら最新設備や取組みにより、農業分野での循環型・脱炭素に貢献すると同時に、地域雇用も生まれることで担い手不足解消にも貢献しています。