事業所紹介
半田市と碧南市を中心に鉄道による貨物輸送を行う衣浦臨海鉄道株式会社。元々愛知県、当時の国鉄、半田市や碧南市などの沿線自治体及び進出企業の共同出資により、1971年に第三セクター方式で設立されました。国鉄民営化以降はJR貨物のグループ会社として、全国貨物輸送ネットワークの一翼を担っています。路線は半田線と碧南線の2本。半田線はJR武豊線の東成岩駅と半田埠頭駅を結び、碧南線はJR武豊線の東浦駅と碧南市駅を結んでいます。
全国貨物輸送ネットワークの一翼を担い、半田線と碧南線の2路線で毎日運行
全国貨物輸送ネットワークは、鉄道部分のJR貨物とトラック事業者が一体となって展開する一貫輸送サービス。全国で毎日約400本以上のコンテナ列車がダイヤ通りに運行しています。衣浦臨海鉄道もその一員として、半田線と碧南線の自社路線だけでなく、武豊線の起点となる大府駅まで乗り入れ、大府駅構内でJR貨物へ貨車牽引の引き継ぎを行っています。毎日、大府駅を出発して碧南市駅まで1往復、その後大府駅と半田埠頭駅を1往復という運行スケジュールになっています。
面白いポイントは大府駅から碧南市駅までの下りは機関車2台連結して運行する重連で貨物を運び、帰りの上り便は切り離して1台で牽引し2便に分けるという運行方法になっています。
碧南線は主に碧南火力発電所に脱炭素処理のための炭酸カルシウムを運んでいます。帰り荷に碧南火力発電所で排出された石炭灰をセメント原料として積み込みます。鉄道貨物輸送では、下り上りどちらかが空荷になることが多いのですが、衣浦臨海鉄道の場合は空荷のない理想的な双方向輸送となっています。
半田線は沿線の工場の製品を積み込んだコンテナ輸送が主流となっており、瓦やレンガなど大きな工業製品が運ばれています。
環境負荷の少ない鉄道輸送へ。モーダルシフトへの期待
最近ではカーボンニュートラルへや物流2024年問題への対応から、環境負荷が少なく、労働生産性に優れた鉄道輸送への期待が高まっています。
鉄道は地球温暖化の原因となるCO2の排出量が最も少ないクリーンな輸送手段。トラックと比較してCO2排出量はなんと11分の1!
労働生産性で比較してもメリットがあります。トラックだと10t運ぶのに運転手が1人必要ですが、鉄道であれば運転士1人で最高26両は牽引していきます。単純計算で1人の運転士が一度に600t(トラック65台分)を運ぶことができるのです。
交通事故等のリスクが低く安全面でも優れ、ダイヤ通り正確な運行も期待でき、さらに輸送効率の高さから長距離になるほどコスト面でもメリットがあります。一般的な想像以上に便利でメリットが大きい鉄道輸送。全国貨物輸送ネットワークの一翼である衣浦臨海鉄道から全国へコンテナ輸送、検討されてみてはいかが。